ビデオデッキのヘッドクリーナー

ヘッドクリーナーと言えば、ビデオテープの形をしたクリーニングテープを想像される方が多いと思いますが、ヘッドクリーナーを内蔵した機種も多く存在します。この内蔵ヘッドクリーナー、経年劣化で色々トラブルになる事があります。

VHSヘッドクリーナー

写真中央の黄土色の部品がそのクリーニング用のスポンジです。 このスポンジは、テープの出し入れの際にヘッドに当たり、汚れを取る仕掛けです。 製造から数年であれば特に問題ありませんが、古いデッキですとこのスポンジが湿気や熱で溶けてしまっています。 溶けた状態で使用しますと、ペースト状になったスポンジが、ヘッドとビデオテープの両方に付着。しまいにはテープも動かなくなり、再生不能になります。

数年ぶりにデッキを使用する際は、未使用ビデオテープや重要度の低いテープで試運転してからお使いください。 万一付いてしまった場合は、ご相談頂ければお掃除いたします。

 

 

ビデオCDが見られない

大量にたまったCDやDVDを整理していたら、昔作った趣味のビデオCDを発見。 普段仕事で再生確認に使っているブルーレイプレーヤーに入れると映らない。 ディスクの劣化でダメになったかな?と思いながら、BDプレーヤー本体をよく見るとビデオCDのロゴがない。 そう、ビデオCDに非対応だった機種でした。

Video CD Logo
ビデオCDのロゴの例。
「平成女神伝説 ひとみプレイバック」より(笑)

折角なのでネットでBDプレーヤーについて検索すると、ほぼすべての機種が非対応。 どうもブルーレイの代でビデオCD規格は切り捨てられたらしい。 考えてみれば、最近のプレーヤーの映像処理チップは、.H264とかMPEG2のデコード専用なので、化石のようなMPEG1まで対応するのは割に合わない。 パソコンなら、再生ソフトを変えれば再生できるけど、家電だと再生する方法がなくなってしまう。 これはまずい。

そんなわけで、ビデオCDをDVDへ変換するサービスを追加。Video CD 規格の解像度はかなり低いので、DVDへ移行するメリットがあるかは正直疑問です。 けれど、一応救済目的で対応。 PAL圏のビデオCDも同様に変換OKですので、お困りでしたらお気軽にどうぞ。

ハンディカム

ソニー ハンディカム ビデオテープが取り出せない

ソニーハンディカムからビデオテープが取り出せないというご相談を多数いただいております。 様々なケースが考えられます。 当方が実際に見た「テープ取り出せない」ランキングを紹介します。

4位 テープが絡んだ(テープの不具合)

・テープに指紋・液体等の付着
・湿気等による張り付き・癒着
・テープ内部の不具合
・不適切な補修

などが原因で内部に引っかかってしまうことがあります。 ビデオテープは、補修が必要となりますが、ビデオカメラは再び使えるようになる可能性が高いです。

3位 テープが絡んだ(カメラ内走行メカの不具合)

テープの走行を支えるガイドポストの歪み、テープ走行を支えるローラーが摩耗していたりすると絡むことがあります。 これは、テープを送る側と巻き取る側の連携プレーの乱れが原因です。 メカの不具合により、テープの張りが許容範囲を超えてしまい、テープの通り道からはみ出し絡みます。

ビデオテープは補修が必要な可能性が高いです。 また、ビデオカメラは再利用すると再び絡んでしまう可能性が高いので、おすすめしません。

2位 ビデオテープのローディング機構の故障

お預かりビデオカメラの1割くらいがこれに該当します。 これは、テープ出し入れメカの故障が原因です。 プラスチックの経年劣化でギアが割れて動かないケースが多いです。 テープの入れ方が荒かったり、強引に開けたりしても壊れます。 また、落下等の外圧で枠が歪んで出ないケースも見受けられます。 このタイプの故障は、ビデオテープへの影響はほとんどないと思われますので、補修せずダビングできる可能性が高いです。 ビデオカメラは修理が必要と思われますが、既に補修パーツがない機種が多いと思われます。

1位 電気系統の劣化

お預かりしたビデオカメラの8割以上がこれに該当し、ダントツの1位です。 具体的には、ビデオカメラの内部基盤に使われている半導体が劣化してしまう故障です。 例えば、電源が入らなかったり、電圧が不十分で正常に動作しないものが該当します。 ビデオカメラを再び利用したい場合は、メーカー修理が必要になります。 しかしながら、補修パーツ保有期間を過ぎているため、修理不能のものが多いです。 一方で、ビデオテープの大半は修理不要で救えますが、テープが露出してた箇所は、稀にカビや油が付着していることがあります。 このような場合は、部分的にクリーニングを行います。

 

もし、ビデオテープの取り出しでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

ダビング時のカビ

ダビング時ダビング時先日、お得意先の写真屋さんからお預かりした海外方式のPAL VHSビデオテープ。 現地で撮影された結婚式ビデオのダビング依頼でした。 ダビング中映像のノイズが気になったので、いったん作業を中断。 一旦テープを取り出し、よく観察をすると所々ビデオテープの表面にカビが生えていました。

海外VHS

VHSビデオテープの蓋を開けたところ。 テープ表面にカビが生えています。

ビデオテープのカビ

カビの生えた部分のアップ。 白い模様がカビです。

このようにカビが生えてしまうと、ダビング時に無数のノイズが入ったりします。 テープクリーニングである程度除去することはできますが、根が深かったり、長年放置してしまうとノイズが多めになってしまいます。 また、ビデオテープそのものも弱くなるため、表面を拭くこと自体が困難になるケースもございます。 お早めにビデオテープのDVD化、ブルーレイ化、データ化して大切な思い出を保護して下さい。

vhs ビデオテープのカビ

裏に隠れていたVHSのカビ

先日DVDダビングのご依頼で届いたVHSのビデオテープ。 カビが生えていました。

vhs ビデオテープのカビ

リールにうっすらかかった白いものがカビです。 程度が軽そうだったので、クリーニング機に入れたもののとてもリールが重い。 嫌な予感がしたのでリールの裏側を隙間から覗くと

vhs ビデオテープ裏側のカビ

あら真っ白です。これはしっかりクリーニングしないと駄目そうです。

カセットの窓からは軽そうに見えても、実際に回すと状態の酷いものも多々あります。まだ他のメディアに移し替えていない方はお早めにダビングすることをお勧めします。

価格改定のお知らせ

消費税率 8%から10%への変更に伴い、材料の仕入れ、運賃価格が上昇するため一部価格を変更いたしました。ご理解とご協力お願いいたします。

hi8-removal

ハイエイト (Hi8) の取り出し

ハイエイト メカニズム

先日お送りいただいた ハイエイト ビデオカメラのメカ部分です。メカのみなので、正確な型番はわかりませんが、ソニーの物のようです。

ここまで分解されてますと、取り出し作業的に大変助かります(笑)ということで、いつも通り給電し、ローディングギアを回します。ところが、排出途中で異変に気付きました。

ハイエイト がキャプスタンに絡んだ状態

ハイエイトテープはすでに切断、片側がキャプスタンに巻き込まれていることが判明。キャプスタンの軸に巻き上がってしまっています。少し巻かれている程度であれば、テープを引っ張るだけで回復しますが、今回は結構ぎっしり巻かれてしまってます。

このままビデオテープを引っ張ると切れてしまうので、メカからキャプスタンユニットを一旦外しました。そしてテープではなくキャプスタンの軸側を回して、テープを緩めることにしました。具体的には、キャプスタン下のホイールを回します。

hi8-jammed-tape

ホイールを回すと、すんなりテープが緩みました。テープが軸から外れたところで一旦ケース内に巻き取り、いつも通りにイジェクトします。

hi8-manual-eject

イジェクト後、カセットハウジングを分解。切り口を整えて接合しなおします。作業で付着したメカの油や皮脂をふき取り作業完了です。

ハイエイトに限らず、ビデオカメラ内にテープが絡んでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

Hi8 ビデオテープ 取り出し

Hi8 ビデオの取り出し (京セラM1)

先日、京セラ M1 Hi8 ビデオカメラからのテープ取出し依頼のお仕事をいただきました。 ありがとうございます。 M1の作業は恐らく2回目、ボタンやメカの配置を見る限り、ソニーハンディカム CCD-SC55と同じ感じがしました。

京セラ M1 Hi8 ビデオカメラとソニーハンディカム SC55
京セラ M1 Hi8ビデオカメラとソニーハンディカム SC55

この機種は、シャープ液晶ビューカムのように両手でホールドをする機種で、 ビューファインダーではなく背面モニターを見ながら操作するタイプです。 一般的な8ミリビデオカメラと構造が異なるため、取り出し方も若干異なります。 通常の取出しは、メカ側を上にして作業するのですが、この機種は、ローディングモーターがカメラ前面にあるため、カメラ前面を開け、メカ側を下にした状態で作業します。

Kyocera M1 前面を開けたところ
Kyocera M1 前面を開けたところ

アップの写真はないのですが、レンズ脇のギアがローディングを動かすギアです。 メカやテープが反対側なので、勘とメカ音を頼りに作業します(笑) ギアを動かしただけでは、テープは巻き取られませんので、アンロードの途中でいったん止め、リールを回してビデオテープをケース内に収納します。

Hi8 アンロード途中
Hi8がたるんだ状態。このまま取り出すと皺に。

はみ出ているビデオテープを巻き取って、最後までアンロード作業を行うと作業完了です。

Hi8 取り出し

Hi8ビデオテープの取り出しでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

カビの生えたVHSビデオテープの補修

先日お預かりしたVHSのビデオテープにカビが生えていましたので、久々に写真を撮ってみました。上ふたを開けた状態。

ビデオテープのカビ

白い物がカビです。見た目は酷いですが、幸い硬くなっておらず、ビデオテープが裂ける事なく綺麗に解せました。手作業でテープの表面240mを拭き、更に機械式のクリーナーで往復させ、テープの表面を整えつつ、滑りを確認します。

カビクリーニング

ビデオテープを再びVHSのハウジングに組み立て直します。再生しながら、映像をHDDに取り込み、DVDへ焼き直しました。

一度カビの生えたビデオテープは、完全に無菌にすることはできません。磁気とベースの間に入り込んだカビはやがて表面化してくるかと思います。早めにダビングされることをお勧めします。

sd card avchd camcorders

AVCHD SDカード内のファイル操作(削除・名前変更)について

AVCHD ロゴ
AVCHD規格であることを示すロゴ

SDカード等を用いたAVCHD方式のデジタルビデオカメラやデジタルカメラもだいぶ普及しました。 カメラ本体で再生できるほか、SDカードをパソコンに差し込めば、動画が再生できるため大変便利です。

ところでこの動画ファイル、3段くらい奥にある”STREAM”という名のフォルダーに入っていますが、パソコンから操作するにはちょっと不便ですよね。 ではなぜ、奥深くに格納されているのでしょうか?

PRIVATE>AVCHD>BDMV>STREAM フォルダー内

理由は簡単。 ビデオカメラ的には、SDカード内をいじられたくないからです。 最初のフォルダー名が ”PRIVATE(プライベート)” になっているのもその理由です。 そう、ビデオカメラもプライバシーを主張する(?)時代なんです(笑)

AVCHD動画ファイルは一人じゃ生きていけない

なぜ直接触られたくないか。実は、動画のある”STREAM”フォルダーとは別の場所に、再生順などの撮影に関する重要な情報が記録されています。 そして、このAVCHD規格に対応した機器は、記録された動画ファイルではなく、この管理情報を基に動作します。 このため、勝手に動画ファイルの名前を変えたり削除したりすると、管理情報に矛盾が生じてしまいます。 矛盾が検出されると、管理情報の紐づけが抹消され、AVCHD規格としては正常に再生やコピーすることができなくなります。 そして残念ながら、元に戻せません。

パソコンへの取り込みだったら大丈夫?

AVCHDの管理情報を使わず、動画ファイルを直接パソコンへコピーすれば動画を見たり編集することはできます。 しかし、ここにも問題があります。 短い映像のものは大抵問題ありませんが、ファイル数個に跨る長い動画は、ファイル同士の連携が取れません。 このため、ファイルのつなぎ目で映像や音声が一瞬途切れるトラブルが起きます。 特に音楽を含んだ映像などでは致命的な問題が起きます。 トラブル防止のため、パソコンへの取り込みは、きちんとAVCHDに対応したソフトで取り込むのがおすすめです。

SDカードに手を加えたらおしまい

AVCHD規格は、複数のファイルやフォルダーに渡って管理されていますので、不要な箇所がある場合は、必ず撮影したカメラで行って下さい(これ重要)。 またトラブル防止の為にも、メモリーカード内ファイルの直接操作(削除・名前変更)は、お控え下さい。 一度弄ったら元には戻せませんので。

本当にどうにもならないの?

別のDVDやブルーレイにコピーする方法でよろしければ、特殊作業である程度可能です。しかしながら、撮影したカメラで従来通り続けて使う事は出来ません。 SDカードを一旦初期化するか、別のSDカードを用意する必要があります。

どうしてもブルーレイレコーダーに取り込みたい

AVCHDの管理情報は、メーカーや機種によって微妙に違うため、完全復元はできません。しかしながら、規格としては共通化されていますので、動画ファイルを元に新たな管理情報を作れば、AVCHD互換のものは作れます。新しい管理情報でBDAVのブルーレイディスクを作成すれば、レコーダーへの取込はある程度可能になるかと思います。ご依頼時にその旨お知らせいただければ対処いたします。
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